和歌山読売写真クラブ(和歌山YPC)

Wakayama Yomiuri Photo Club
2015年度 例会作品 (松原講師選)
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 12月作品(12/12(土))
廃校を題材にして、確かな感覚と技術で美しい作品にしています。柱や桟の直線をうまく生かした構成がとても美しい画面を作っています。ハイライトとシャドーのバランス配分も申し分ありません。 シンプルな画面構成が、作者の気持をより強く見る者に伝える役割をしています。濃霧の状況を生かしつつ、橋の造形を力強く表現したフレーミングが成功しています。 有名なカズラ橋の様子がよくわかる写真です。カズラのロープが画面構成にうまく生かされ、観光客のにぎわいも描写された適切なフレーミングになっています。
「窓」 磯 秀樹 「濃霧の海峡」 和田雄次 「カズラ橋」 坂東捨一
 11月作品(11/14(土))
ストレートな人物表現がうまく出来ています。強い光線を生かした立体感が成功しています。カメラアングル・フレーミングも無駄なく、良い表情をとらえたシャッターチャンスも良い。ブルーとレッドの配色も効果的です。
「すてきな笑顔」 笹山直樹 「見張り番」 久留主慶子 「秋景」 竹林健治
 10月作品(10/10(土))
手の表情をうまく生かした良い作品です。手は顔と同じように雄弁に語ります。祈りの象徴として表現された手が信仰心を伝えています。ブルーの色調も効果的です。 うまく表現するのは少しむずかしい夜空が気持良く再現された作品です。橋上の光と賑いや、川面の光が名草山や月夜の情景を盛り上げています。近景の橋と遠景の山との距離感がうまく表現されているのが良い。 ファンタジーあふれる楽しい作品になっています。朝の光のすがすがしさと空気感が伝わります。古代米の稲穂の赤も効果的で、デフォルメされた人影のプロポーションが夢のある絵づくりに生きています。
「念」 前田哲夫 「スーパー・ムーン」 森 和代 「朝の散歩」 貴志芳子
 9月作品(9/12(土))
構図のまとまりがうまく出来ていて、雄大なファンタジーを感じさせてくれる写真です。街の夜景の描写が写真に奥行きと広がりを出しています。実景と空想の映像とのつながりも適切です。 ユーモアあふれる画面で心が和みます。蓮の華の形と色が美しく、又水滴の位置もきまっています。作者のやさしさがにじみ出た作品です。 テントに映る人影がとても印象的な写真です。あまり日常的でなく、見過されそうな情景ですが、作者の感性と技術で作品にしています。夕暮れのやわらかい光を活かした落着いた描写が効果的です。
「ファンタジーの世界」 和田雄次 「カップル」 磯 秀樹 「忘我」 山口隆章
 8月作品(8/8(土))
橋桁のみになった「流れ橋」の木組を適切なフレーミングでうまくまとめています。立体感を演出しているシャープな光と晴れ渡った青空が力強い意志を伝えている作品です。 独特な印象を与える強い映像です。たくさんの指を集め、凝縮することで増幅されたパワーが発散している図柄になっています。フレーミングもトーン配分もよく考えられています。 なぜか懐かしさと安堵を感じるレンガの構築物を安定した構図にまとめています。赤い夕日がレンガの橋脚の存在を強めて効果をあげています。通過する電車を入れることで生活感が加わり、作品内容が深まります。
「流れ橋」 太田信子 「つながり」 上房康裕 「大動脈」 竹本まき子
 7月作品(7/11(土))
葉の形がとても不思議な立体感のある魅力的な形です。トップからの光が葉脈を美しく際立たせ、豊かなグラデーションを生んで力強い画面を造っています。フレーミングも無駄なく出来ています。 生命力を発散させている植物のポートレイトです。柔らかな光に包まれた自然の造形を適格に表現しています。トーンバランスも良く整えられ、水滴の描写も朝の時刻を表現しています。 植物の形を独自の感覚でうまく表現しています。特別でなく普通の植物の細部を美しい曲線と魅力的なグラデーションで存在感のある「造形」として表現しています。逆三角形を生かした動きのある構成が効果的です。
「おくるみ」 野島 満 「情熱」 貴志芳子 「造形」 富岡結花
 6月作品(6/13(土))
何気無い普段の生活の一瞬を切り取った良い写真です。人物の表情、所作の描写も良く、部屋の内部のさまざまな物たちも存在を示し、画面構成に協力しています。モノクロームのトーンも大変良く出来ています。 光の演出効果がとても良い写真です。美しいだけの花写真を越えたドラマを感じさせる作品になっています。カメラポジションが良く、影と光をあびた花がうまく対比して奥行きのある画面になっています。明暗のトーンの配分も効果的です。 題名が示すように、絵画を見る印象の写真です。複雑な色とトーンが美しい道を見る視野の中に入りこんだ花の赤が驚きを与えてくれる面白さが素直に再現されています。
「まかない茶」 久保賀圓 「紫陽花模様」 井上泰治 「道のキャンバス」 外薗和美
 5月作品(5/9(土))
散った桜の花弁を主役にした味わい深い作品です。特別な被写体でも無い一枚の花弁ですが、作者の感性で主人公を演じさせています。画面構成も簡潔で良い写真になっています。花弁の透ける感じは、とても可憐で美しい。 お母さんの優しさがとてもうまく表現された作品です。行燈の灯りが、人と古い民家の佇まいを照らしています。後方の灯りは町の通りの奥行を感じさせ、又人物を浮かび上がらせる役目もしています。夜の雰囲気の描写もうまく出来ている写真です。 大蛇を表現するのに最適のカメラアングルからの撮影で面白く表現された作品です。構図の大胆さとシャッターチャンスの良さが活きた写真です。橋の上でカメラを構える二人のシルエットもユーモラスで内容を深めています。
「雨あがり」 竹林健治 「灯りと親子」 前田哲夫 「大蛇が行く」 山口隆章
 4月作品(4/11(土))
光の美しさを生かし、シンプルでバランスのとれた画面が心地好い作品です。背景のグラデーションがとても効果的です。逆光に光る2つの水滴の描写、ライティングが美しい葉の透けぐあいも美しい。 渚で根気良く、シャッターを切り続けて得た作品です。逆光に光る様々な泡の形の描写がうまく出来ています。夕陽の映える波の質感の表現も海の雰囲気を盛りあげています。 朝日をうけた桜の花弁をモノクロームで表現した作品です。カラーで表現することが普通ですが、モノクロームのグラデーションの美しさを生かして描写しています。アウトフォーカスの幹の黒さが透けた花弁の美しさを強調しています。
「雫」 富岡結花 「泡立つ」 大橋眞由美 「目覚め」 野島 満
 3月作品(3/14(土))
写真ならではの一瞬をうまくとらえた気持の良い写真です。手の表情と足の動きが、とても活き活きと表現出来ています。水鉄砲の赤も効果を上げています。この一枚は子供時代の貴重な映像として、ファミリーフォトの1ページを飾ることになるでしょう。 とても落ち着いた気分にさせてくれるのは、雨上がりの情景がうまく再現されているからでしょう。安定した構図とダークなモノトーンが、敷石や水溜りのハイライトを美しく際立てているようです。心地良い湿気を感じさせてくれる作品です。 繊細な木の枝と雪のグラデーションが美しい写真です。雪は表面から見ることが多いのですが、ローアングルの視線が成功して、透けた光がとても雪を美しくしています。ステンドグラスを想わせる作品になっています。
「アッ・・・」 竹本まき子 「氷雨の中で」 山口隆章 「雪すだれ」 森 和代
 2月作品(2/14(土))
濃厚な雰囲気を持つ植物のポートレイトを感じます。光の処理の良さで、緑色が美しく描写、表現されています。フォルムの美しさ、グラデーションの美しさが冴えた作品になっています。 いつもながら、自然の造形の美しさに驚かされます。睡蓮の葉の形、色の面白さが生かされた画面構成も成功しています。水面を見下ろす方向と、上空の雲が同一画面上にある視覚的な面白さが加味されていて興味深い作品になっています。 水面に映る微妙な光や色、形をとらえ、奥行きのある構図で成功しています。地味な図柄ですが、大きなプリントにすると、細部のディテールが表れて、味わい深い佳い作品になります。
「緑のブランケット」  上房康裕 「異空間」   竹林健治 「池のカンバス」   井上泰治
 1月作品(1/10(土))
この作品は、一瞥しただけでは解からない謎めいた魅力を持っている写真です。氷の質感と像の多様さも内容を深める役目をしています。豊富なグラデーションの再現描写も良好です。 ほのぼのとした情景を素直な表現で画面作りをしているところに交換が持てます。飛切りの幸福とかでなく、普通の幸福が描かれているのが、よく伝わります。光が美しく、色の効果や配分バランスも調っています。また、子供の仕草・表情も良い。 複雑で微妙なグラデーションで描かれた水面と様々に紅葉した水草、そして鯉、それぞれが影響しあい、多層構造の画面は深い意味を提示しており、興味深い作品になっています。
「氷解」  貴志芳子 「ワァ、おっきいねぇ〜」  磯秀樹 「池模様」  久保賀圓
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