和歌山読売写真クラブ(和歌山YPC)

Wakayama Yomiuri Photo Club
2014年度 例会作品 (松原講師選)
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 12月作品(12/13(土)) 
幻想的な画面が想像を刺激する作品です。遠近感のある水面のパターンと輪郭のはっきりしない人体のシルエットが合体した映像が醸しだす雰囲気が魅力的です。全体をダークトーンでまとめた表現も効果的です。 素朴な「面」の存在感を的確に提示した明快な作品です。撮影時の光線がとても良く、生命観あふれる「面」が表現出来ています。フレーミングも全く無駄がなくて良い。 宝石の髪飾りよりも繊細で美しい造形です。タンポポの綿毛に付いた微細な露が美しく描写されています。アウトフォーカスの像も奥行きを表して効果的です。画面下部にあるブルーの綿毛も表現の幅をひろげています。
「回想」  上房康裕 「何見てる!」  久留主慶子 「朝露」  野島 満
 11月作品(11/8(土))
複雑に絡み合った幹が造形美と生きる力を発散している画面です。見る者に力を与えてくれる作品です。立体感を感じさせるソフトな光も、緑の葉も、生命力と時間を感じさせてくれます。 波のエネルギーや美しさが的確に表現された写真です。台風の余波を丹念に観察することから生まれた作品と言えます。計算された光の効果も、波のハイライトに活きています。 通常を超えた大量の紙ふぶきのおもしろさをうまく捉えて、意表をついた映像に仕上げています。一瞬の光景をよいシャッターチャンスとフレーミングでまとめています。紙の黄が大変効果的です。
「枝分かれ」 前田哲夫 「ロール波」 和田雄次 「クライマックス」 森 和代
 10月作品(10/11(土))
秋の気配が漂う魅力的な写真です。彼岸花は色が派手な被写体ですが、作品にするのがむずかしい対象物です。逆光線と一輪に絞ったので寂しさが表現されています。主題の田に残ったキャタピラの跡が効果的です。 植物の葉に現われた光と影の造形美を鋭い感覚で切り取って、観る者に訴えかけてくる強い作品です。明暗のコントラストの美しさと形が無駄のない画面を構成しています。 水溜りに映った何気無い光景をしっとりとした調子で表現したのが成功しています。誰もが記憶のどこかに持っている情景を思い出させる作品になっています。フレーミングも適切です。
「稲刈りの爪跡」 久留主慶子 「反映」  貴志芳子 「なつかしい」 竹本 繁
 9月作品(9/13(土))
存在感のある「ヤギ」の顔が見事です。世の中のことは、何事も知り尽くしたような表情をうまく表現しています。フレーミングも無駄がなく、画面全体に力があります。 一人の人物をモチーフにして、イメージを発展させる作品創りに取組み、出来上がった努力作です。女性の持つ謎と魅力を表現しています。影の使い方が生きています。 ブルーの水を微妙な色の変化で表現した魅力的な写真です。水中の立ち枯れの樹のリズム感も気持ち良く、完成された絵の世界を築いています。
「貫禄」  井上泰治 「O嬢の肖像」 上房康裕 「青の幽玄」 貴志司朗
 8月作品(8/9(土))
祭りの中で見つけた幼児の仕草をうまくとらえています。表情は見えていませんが、充分に想像が出来ます。精一杯背伸びをした足元が可愛いい。又、祭りの情景もしっかりと描けています。遠くのゆかた姿の二人も効果を上げています。 夏の海の情景が味わい深く表現されています。主要な六人がそれぞれの役割を演じている、とてもうまい構成です。海面の光りに対するシルエットが美しく、無駄がありません。 水滴が美しい形とトーンで描写された写真です。シャープなピントと豊かなグラデーションが素的です。アウトフォーカスの背景がクリーンの深い調子で表現され水滴が生きています。自然の造形力の素晴らしさが感じられる一枚です。
「背伸び」  磯 秀樹 「それぞれの夏」 野島 満 「威嚇」  久留主忠雄
 7月作品(7/12(土))
羽根も生え揃わないカモの雛を絶妙のシャッターチャンスでとらえています。首をうんと曲げて羽毛を嘴で摘まんだ良い瞬間で、見れば見るほど可愛い仕草です。羽毛の質感描写も優れています。 太陽の光を鈍く反射する睡蓮の葉をバランス良く、切り取ったフレーミングが効果を上げ、水面の空間部が生きています。渋いグリーンの葉もモノトーンに近い色調で、主役のカエルを引き立てています。カエルの右手の指が葉にかかっているのも効果を加えています。 道端に咲くササユリの花を素直な目で感じたまま、さりげなく表現出来ていることに魅力を感じます。レンズの選択やフレーミングに精通した作者ならではの写真です。特に光のとらえ方が巧みです道路の描写も良い。
「身繕」  貴志司朗 「おはよう」  太田信子 「木漏れ日の中で」  山口隆章
 6月作品(6/14(土))
微妙な色彩とアウトフォーカスのやさしさ、それらをまとめる指揮棒のような細い草の茎が美しい。シンプルな構成が雰囲気を一層増幅しています。絞りの効果を活かした美しい作品になっています。 しっとりとした山の霊気が表現された写真です。三本の太い樹と小さな「しゃくなげ」の花の対比が、うまくフレーミングされています。高い梢の微妙なトーンが湿度のある空気を感じさせます。 好天の山上の空気感やハイカーの晴れやかな気分が適切なフレーミングでうまくまとめています。遠景の山の色に対する近景の紅が活きています。さまざまなポーズでカメラをかまえる人達も効果をあげています。
「たたずんで」  上房康裕 「霧の高野山」  森 和代 「紅に魅せられて」  外薗和美
 5月作品(5/10(土))
小さな鯉のぼり・せまい路地・自転車に乗った人・どれをとっても身近な親しみを感じる被写体を巧みな構成力によって、旧い町に生きる人々の生活を生き生きと表現した良い作品です。 灯りに照らされた無垢な可愛い表情の少女を素直な目でとらえて成功しています。灯籠の光と暗部の省略がうまくバランスのとれた、美しい光の作品です。 うららかな春の景色と物々しい望遠レンズの放列のコントラストが面白い画面を創っています。桜の花と茅葺き屋根を背景にカメラマンたちをうまくフレーミングして、バランスの良い構図を創っています。中間部を空けて左に座る人物を入れたのは成功です。
「路地裏の鯉のぼり」  磯 秀樹 「灯籠と子供」  前田哲夫 「激写」  外薗春海
 4月作品(4/12(土))
色、形共に魅力のある写真です。まるで絵描きのパレットさながらに、様々な色の重なりが深い味わいをつくっています。さびた鉄のフックの形・質感も良く、海辺の住人の日々の営みが見えてくる作品です。身近な被写体の発見のうまさとセンスの良さが光ります。 関西では見慣れた白浜の風景ですが、この写真は一味違っています。シルエットで写っているたくさんのカメラマン達の写真は見なくても想像出来る平凡な写真でしょう。この写真はその人達を被写体にして、一歩先の映像を作っています。無駄のない適切なフレーミングも良い。
「絆」   野島 満 「日入見物」   山口隆章
 3月作品(3/8(土))
直線の美しさ、光の変化、微妙なトーン配分をバランス良く、フレーミングして完成した構図をつくっています。造形性と都会に生活する人々のドラマが感じられる読みの深い作品になっています。 素直でシンプルな構図が美しさをダイレクトに伝えています。舟の浮遊感と水中の光のグラデーションがうまく表現出来ていて、幻想的な作品になっています。舟の舳の赤いランプも効果をあげています。
「人間模様」  磯 秀樹 「白鰻漁」  竹本 繁
 2月作品(2/8(土))
色彩・造形感覚の良さに裏打ちされた写真です。多重撮影によるイエローとブルーの幹の映像が、黒い幹の形の美しさをより引き立てています。完成された魅力を持つ作品です。 風景の中に民家の部屋をうまくフレーミングしたのが、この写真の良さを決定づけています。山村の生活の一端をのぞかせる室内描写も良く、外景とのバランスを取りながら、うまくまとめています。撮影時刻の設定も成功のポイントです。
「樹彩」   野島 満 「温もり」   山口隆章
 1月作品(1/11(土))
むずかしい理屈抜きで美しい光景です。国籍を問わず女性の和服姿は美の対象です。人物のラインライトがとても効果的で、背景のグレーの色が着物の色彩の引き立て役をしています。 植物の形・色にはいつも驚かされますが、この写真も付着した霜の結晶によって気温まで的確に表現されています。対象物のシャープな描写とアウトフォーカスの背景処理で、バランスのとれた構図がつくられています。真冬の寒さを感じさせる作品です。
「タイの国から」  竹本まき子 「寒」   貴志芳子
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