2008年度 例会作品 (松原講師選)
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 12月作品(12/13(土))
店の内と外の対比が面白く生かされている作品です。特に店の内側のガラス超しの描写が良い。無関係な二人の人物が読みの深い作品にしています。外の強い光と室内の柔らかい光の表現もうまく出来ています。 二人の女性のうしろ姿が実に味わい深く落ち着いた作品になっています。チラリと見える杖や、座ったポーズが年齢をうかがわせて面白い。アウトフォーカスで描く背景がとても良い。丸柱の入れ方や柔らかい光を活かした色調も良い。 子供のはしゃいだ気持ちや声がズバリ表現出来ている、うまい写真です。理屈抜きに楽しさが伝わる作品になっています。宙に舞う「いちょうの葉」が大変効果を上げています。背景の樹木や人の配置も適切です。
「ランチタイム」 久留主慶子 「夕暮れに語らう」 井上泰治 「いちょうと遊ぶ」 山口隆章
 11月作品(11/8(土))
オモチャ箱をひっくり返したような店のディスプレイが面白い。人物を呑み込んでしまいそうな迫力が良い。商売熱心な女店員の表情をうまくとらえています。 水槽のブルーが幻想的で美しい。見物人の黒いシルエットの形がうまく描写出来ています。色数の少なさが成功しています。子供と母親の表情が想像出来ます。 珍しいウコンの花の生命力を強く感じます。トーン配分が適切で写真全体が落ち着いた美しさを感じさせます。複雑な線、面、質感などが効果をあげて、力強さをつくっています。
「街角」 竹林健治 マンタが来たよ」 前田哲夫 「ウコンの花」 貴志芳子
 10月作品(10/11(土))
コラージュを見ているような面白さがあります。一枚の写真の中にさまざまな物が存在を主張しています。奇想天外なストーリー展開が可能なユニークで素敵な作品です。 まるで本物の人間のように見える「カカシ」が名演技をしています。幸せそうなおばあさんの表情が特に良い。カラスもフクロウもみんな幸せそうです。作者の素直な気持ちがこの写真をつくったのだと思います。 3〜40年前の時代にタイムスリップしたような、なつかしい光景です。奥の自動販売機が現代を主張しているようでおもしろい。映画の看板が大変効果的です。又ピンホール写真独自の描写が生きています。
「夜景塔」 笹山直樹 「お出迎え」 貴志司朗 「街角」 吉田満利
 9月作品(9/13(土))
雨の日の落ち着いた情景をうまく作品にしています。美しく雨にぬれた木の通路を中心にした構成に無駄がなく、バランスよく表現されています。 どこにでもある店先の様子ですが、何かを感じさせる作品になっています。画面右側の「無」の文字が印象的です。左右の色彩の対比が効果をあげています。 世界のどこでも見られる生活の一コマを作品にしています。孫とおばあさんの、しぐさから毎日の生活が想像できます。適切なフレーミングで全体のバランスが整っています。
「雨の通路」 野島 満 「ディスプレイ」 太田信子 「慈愛」 貴志芳子
 8月作品(8/9(土))
葉裏から夏を表現出来たのが面白いと思います。影絵になった「セミ」と「クモ」の抜殻の形と大きさのコントラストがユーモラスです。グリーンの葉の緑に見える爪先の茶色が効果的です。 味覚を刺激される作品です。「ハス」の実を正方形の画面の中にうまくまとめて構成しています。自然の造形の奥深さを教えてくれる気持ちのよい作品です。 夏休みの情景をたいへんうまくとらえています。写生する二人のしぐさが自然で熱中ぶりがよくわかります。日焼けした背中が夏の暑さを表しており、背景のヒマワリの描写も適切です。
「影」  坂東捨一 「スイーツ」 竹林健治 「夏休み」 前田哲夫
 7月作品(7/12(土))
文句なく素敵な表情です。無垢な笑顔は見る人の気持ちまで明るくしてくれます。膝に当たる水の勢いや、冷たさまで伝わります。少女らしいポーズも素直で水路のフレーミングも無駄なくまとまっています。 日傘をさした晴れ着の老婦人の姿から、この方の人柄まで読み取れる気がします。祭りをむかえた村人の気持ちまで連想できます。背中から射す光も美しく効果的です。 力強さがあふれている気持ちの良い写真です。画面から、はみだした大胆なフレーミングの面白さがひかります。帽子でかくれた顔が充分想像できる力強いポーズがすばらしい。水面と畦道のラインが良い。
「気持ち イイー」 山口隆章 「村祭りの日」 磯 秀樹 「田植えの準備」 久留主慶子
 6月作品(6/14(土))
見た瞬間に伝わる説得力は顔の持つ力です。真正面からのカメラ位置が、力強い表現とおだやかな人柄を表現することに結びついています。背景の処理も良い。 花の妖気が感じられる写真です。おしべに当たる光が美しく、立体感を表し、花弁の複雑で微妙なトーンが独特の美しさです。光を効果的に生かした作品です。 無心にシャボン玉を追う少女の気持ちがよく伝わります。まるで踊っているようなポーズが面白くとらえられています。なにげない遊園地のワンシーンが素直な目線での写真になっています。
「明るいお婆ちゃん」 井上泰治 「ぼたん」 貴志芳子 「シャボン玉」 笹山直樹
 5月作品(5/10(土))
子供達の笑声がはじけて聞こえてきます。子供の元気がもらえる作品です。シャッターチャンスの大切さを教えてくれる一枚です。四人の子供と一匹の犬が一体となって画面を構成しています。 茶の湯の所作を美しく表現できています。野点の幕の明暗を生かして人物を引き立てています。この作品も絶妙なシャッターチャンスによって、日本女性の美しさをとらえています。 ハングライダーと月を簡潔な構成でまとめています。雲一つない青一色の空が美しい。少し大きい半月が意外で、それも面白くて良い。
「仲よし」 坂東捨一 「野点」 貴志司朗 「お月見」 久留主忠雄
 4月作品(4/12(土))
春の様子が余すことなく表現されています。子供の指先に暖かい風がからまっているようです。さりげないカメラアングルとフレーミングで春を表しています。水面の表情も良い。 日本人の桜の楽しみ方の一端を見せてくれる作品です。ダークスーツの一団の花見風景が面白い。桜の樹間に人物を配して成功しています。 「幸せ」を絵に描いたような写真です。並木と影のラインがL字を描いていて面白い。背後の道を大きく入れたので、登場した家族の「幸せ」の余韻が道に残っているようです。
「春の大門川」 竹林健治 「社内風景」 宮村歌子 「家族いっしょ」 前田哲夫
 3月作品(3/8(土))
無風の静かな冬の日がよく表現されています。水郷の舟のへさきに積もった雪を、うまいフレーミングが無駄のないバランスのとれた構図にしています。トーン配分もよく、また逆さに映った家並みも視点の変化と奥行きを作っています。 最近のスーパーの店先とは違い、人の温かさが感じられる作品です。店内の照明状態がドラマチックで効果的です。味噌屋の女性のしぐさや表情をうまくとらえていて良い。 ピンホール写真による描写がテーマとうまくマッチして味のある作品になっています。冬日の曇天という条件が独特な雰囲気に映像化されています。またローアングル撮影によって線路のハイライトと枕木の強調が画面作りを成功させています。
「残雪」 磯 秀樹 「味噌屋」 松下伸三 「廃てられた冬」 吉田満利
 2月作品(2/9(土))
新しい年を迎えた神社の様子がうまく表現されています。赤いじゅうたんや書初めを吊るした壁や、初釜の接待をする巫女さんの表情など、華やいだ初春の感じをうまくとらえています。 寺の屋根をシンプルな画面にまとめています。軒のシルエットが全体を引きしめて効果的です。シンメトリーに切り取った本道の屋根に対して、右の木の枝のシルエットが画面に動きを加えていて良い。 古風な商家の様子が、なつかしさを感じさせる作品です。フスマや行燈の灯がうまく描写されていて良い。子どもの自然な様子が落ち着いた情景を作っています。
「初春」 竹林健治 「甍」 野島 満 「懐古」 貴志芳子
 1月作品(1/12(土))
自然の造形の面白さを実感させてくれる写真です。写真表現にとって大切なポイントである光の美しさから生まれた作品です。宙に浮かんだような浮遊感が良い。 豊かな人生経験に裏打ちされた素敵な笑顔です。祭りの日に一瞬表れた二人の表情を逃がさずとらえて表現しています。背景の単純化も効果的です。 人の願いがよく伝わる写真です。何気なく触れた手の表情が良い。冷たい石像と少し年老いた人の手の温もりが想像出来てとても現実感があります。
「水玉」 竹林健治 「笑顔」 貴志司朗 「鼠でチュウ」 太田信子
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